デジカメ散歩
足尾銅山の保存機関車
2016年6月11日公開

 通洞駅近くの足尾銅山観光に保存されている機関車を見てみましょう。まずは屋内に展示された真っ赤な47号。自重3トンの架線式機関車(となりに掲示された青図面から)。これは坑内用として使用されたものですが、足尾銅山の坑内軌道は475ミリ軌間という特殊なもので、このために車体幅が狭く、運転席はかなり窮屈に見えます。また、文献(1)所収の写真には、同型車体に屋根を設けて、その上にポールを移した坑外用機関車が見られます。
 足尾銅山での電気機関車使用は、明治24年に坑外線(有木坑〜製錬所)で始ったとされ(ジーメンス製ではないかと云われるが詳細は不明)、早くも明治26年には足尾銅山工作課にて新造されています(これはGE製を参考にしたようで、前掲書に写真あり)。このことから、足尾銅山が日本の実用的電気鉄道の第一号、および国産電気機関車の第1号の栄誉を担っています。明治期の鉱山が、海外の先端技術を積極的に採用した事例のひとつと言えるでしょう。残念ながら、47号の製造については解説がありませんが、現存最古の電気機関車という可能性があるように思われます。

文献(1) 『全国鉱山鉄道』JTBキャンブックス2001


 館内に展示されている47電気機関車。横向きに置かれたマスターコントローラーや、ライトボックスを利用した座席など特徴がある。大きく書かれた15は型式?


 掲示されていた青図面で、足尾製16号型電車とあり、重量3トン。47号の外観に一致するが、15型と16型は型番違いの同型機?


(絵葉書/うしやん所蔵)有木坑の坑口にて。10という数字が見えることから型式は10型だろうか、スタイル的には47とはまったく同型に見える。なお、車体には「つばめ号」と書かれている。


(絵葉書/うしやん所蔵)同じく有木坑口での写真だが、上記の機関車と比べると、マスターコントローラーが車体(?)に組み込まれ、デザイン的にはまとまっている。

 足尾銅山観光の屋外に展示されている車輌から、足尾A形A-1号という坑内電気機関車を取上げます。やはり坑内用で、製造銘板が付いており、足尾製作所小山工場にて昭和28年9月に改造とある5トン架線式機関車です。改造とあることから、新造はそれ以前と思われますが、解説には「主要坑道で使用され、1屯鉱車25両を牽引しました。現存する最後の1両です」とあるだけで、製造年については触れていません。






 足尾製作所は昭和17年に足尾鉱業所から独立して設立、小山工場は昭和19年に新設された工場。電圧直流500V、軌間475ミリ、出力は18HP×2である。製造番号10421は、他製品との通し番号だろうか。

 もうひとつ、電気機関車の絵葉書を取上げましょう。足尾製作所絵葉書としてセットになったものから、足尾式3トン機関車の試運転とあります。3トンだと、最初にあげた47号と同クラスですが、デザインは大分異なります。なお、足尾製作所は間藤駅のそばにありました。


(絵葉書/うしやん所蔵)足尾製作所工場の絵葉書より、量産された足尾式3トン電気機関車が並ぶ。ポールの高さや、運転台に屋根が付くなど、坑外線用であることが分るが、それ以外は坑内用(マイニングロコ)と共用の設計であろう。

撮影は全て2012年5月


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