炭鉄あちこち
予定桟橋跡
三池港
2017年4月29日公開
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miike port

 世界遺産に登録された三池港ですが、以前に比べて立入禁止の場所が増えてしまい、近くに寄って観ることのできるポイントは限られています。メジャーなものよりもマイナーなものについつい惹かれてしまいますが、そんな中、干潮時に見ることのできる歴史遺産をひとつ取り上げましょう。
 島原鉄道の高速船乗場(旧博多検疫所三池出張所)の近く、ちょっとした小公園になっていますが、そのそばの内港から船渠への航路を見下ろすと、岸壁に沿って四角と丸を組み合わせた基礎が整列しています。基礎の中央には穴があり、何らかの柱が建っていた跡に見えます。


船渠閘門方向を見て

内港側を見て



 この柱の基礎はここに桟橋があった痕跡と推測されますが、実はこの桟橋は竣工されなかったと思われます。下の絵葉書は「三池築港全図(YS=山田写真館発行)」ですが、件の場所には「IRON PIER TO BE CONSTRUCTED ヨテイノサンバシトソヲコヲ=予定の桟橋と倉庫」と書かれています。築港計画として、鉄製桟橋と倉庫が建設され、引込線が敷かれるはずでしたが、何らかの理由により中止されています。なお、築港当時の桟橋としては船渠南岸に鉄製桟橋(船渠係船壁4番バース)が建設されました(絵葉書中、船渠にIRON PIERとある箇所)。





 絵葉書からもう一つ、「完整後の三池港船渠全景(大牟田駅前山田製)」という絵葉書で三池港の模型です。かなり緻密に作り込まれていますが、アップにすると、桟橋に面して8棟の大型倉庫が並ぶなど、上図より大規模化しています。ただ、こうして具体的な姿を見せられると、この桟橋に係船した時には肝心の船渠には大型船が入り難そうな位置になりますね。
 なお、この絵葉書では計画倉庫や桟橋への引込線が見えませんが、別角度(右)から撮った絵葉書があり、これによれば線路は北側(左)から倉庫の間に引き込まれています。ただし、線路の起点は模型の枠外にあり、港駅からではありません。おそらく、この線路は大牟田駅から分岐する計画があった三池港臨港線(鹿児島本線支線)のものと考えられ、計画された桟橋や倉庫が結局は建設されなかったのも、臨港線の計画自体が頓挫したことと関係があるように思われます。




桟橋上には荷揚げ用のクレーンらしきものも見えます


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